FEATURE

2016/03/23

SPECIAL INTERVIEW black eddie×mythography for POP UP SHOP at URBAN RESEARCH

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SPECIAL INTERVIEW black eddie×mythography

春の到来に合わせてアーバリサーチ 神南店で魅力溢れるPOP UP SHOPがお披露目される。俳優 村上淳が手がける「black eddie」と、シューズデザイナー 宮城秀貴のブランド「mythography」がこの企画に合わせてコラボレーションアイテムを発表。この販売に加えて、フォトグラファー高橋健治が、新進気鋭の俳優 育乃介を起用したメインビジュアルや、それを描いた絵描き 渡邊幸一郎の作品が期間中展示される。これを記念して関係者一同が介した対談が実現した。

ファッションというよりも、靴そのものが好きだった

宮城さん

— はじめに宮城さんと村上さんそれぞれのファッション遍歴をお伺いしたいのですが

宮城 秀貴氏(以下、宮城):まず先にお話しておくと、僕はファッションに興味があって「mythography」を始めたわけではないんです。ファッションというよりはむしろ靴そのものがとにかく好きだった。
19歳の頃から代官山で靴の販売をやっていて、そこによく本社のデザイナーが来ていたんです。その人がとにかく変わっていて。気になるけどよく分からない。その後仲良くなってご飯を食べるようになってもやっぱり変、と。その人が気になり出したら当然自分が売っているその人の靴が更に気になるようになって、そんな連鎖反応から自分で靴を作るようになりました。
とはいっても全部独学。本を読むことすらしないでいきなり東急ハンズに行って道具を揃えて、っていうまさに初期衝動でしたね。反面、LAST(木型)のことなんかも全然分かってないからシューキーパーにガムテープ巻きつけて、それをLASTだと思い込んでいましたけど。笑

村上さん

— 村上さんの場合はどうでしたか?

村上 淳氏(以下、村上):俳優を始めたのが20〜21歳くらいのときだったんですけど、それがちょうど裏原カルチャーの後期だったかな。まだ勢いがあったんでブランドやるのも当たり前の感覚がありましたね。
それよりもっと前に遡るならガキの頃はスケートカルチャーにどっぷりだったし、その後は渋カジにも。渋カジはつまりチーマーカルチャーですよね。タイトな古着で首にはゴローズ、足元はエンジニアみたいな。スケーターとチーマーは基本交わらないんだけど、僕は両方に友達がいたんでその線引きはあんまり気にしてなくって。エンジニアでボード乗ったりしていました。
エンジニアに関していえば“SCARECROW”っていうお店に高校生の頃通っていて。オーナーの成澤さんはいい時代のウエスコも扱っていれば、たぶんホワイツを見つけてきたのも彼だと思う。当時3ヶ月お金貯めて成澤さんから12万円のウエスコ買ったけど、買うそのときも30分ウンチク聞いてからやっとお金を渡せる、みたいな。でも目の前で水かけてブーツの頑丈さを説明してくれたり、自分にとっては先生のような存在でしたね。そういう経験が30代に入ってエンジニアを軸に始めた「MADE IN GM JAPAN」に繋がっているのかも。

育乃介さん

—20代を代表して育乃介さんからもお願いします

育乃介氏(以下、育乃介):お金を使わない世代と言われますが、たしかに僕は服をあまり買っていないかもしれません。そもそも詳しくもなければ、ブランドに拘りもない。でもそれはみんながそうだとも思いません。
いま大学にも通っていますけれど、地方から来ている子たちはむしろファッションに気を使っていると思うし、お金もそれなりにかけていると思う。
ただ自分は友達から貰ったり、親から譲ってもらったものが逆に面白く感じていて。たぶんDCブランドと言われるものだと思うんですけれど。

村上:それってアルマーニとかヴェルサーチ?
80年代のアルマーニって芸術的なカッティングなんだよね。今でも価値がある服だと思う。自分の親も普通のサラリーマンなのにヴェルサーチとか持っていて、やっぱあの頃ってバブルだったんだなぁ、って思いますよ。

村上さん育乃介さん談笑1

— ちなみにファッション以外の遍歴も聞かせていただけますか?

村上:さっきも話したけどスケートカルチャーと渋カジを通過して、その後ってクラブカルチャーだったんですよね。最近DJ業は控えめだけど。
3つ上の姉がいるんですけど、姉は俄然ディスコ世代。ディスコのこと知ってます?女の子はフリードリンク、フリーフードで、チークタイムもあればリクエストもある。クラブとは全然違いますよね。
Hip Hopをはじめ、それを包括するクラブカルチャーって藤原ヒロシくんが日本に持ってきていると思うんですけれど、僕にとって彼の影響はでかいですよ。若い頃から知っていますけど、ヒロシくんは今でもそういうカルチャーの渦の、そのど真ん中に居ますもん。10代の頃は本気でスケートで食っていこうと思っていましたけれど、ヒロシくんに会ってもの凄く変わりましたね。トレンドをキャッチする体内時計やそのセンス、あとスマートさに。

— 宮城さんは影響受けた方っていらっしゃいますか?

宮城:僕はメンズノンモデルだったジュン・ヘイガンさんにだいぶ影響を受けましたね。髪も服も奇抜。ときには女性もののワンピースを着ていたり。
その後ジュンさんが紹介していた「NUMBER(N)INE」を知ることになり、そのデザイナーである宮下貴裕さんに辿り着き、また刺激を貰うという流れです。

村上:「NUMBER(N)INE」の登場は衝撃的だったよね。育乃介くんはどう?

育乃介:それが実はあまり思い浮かばないんですよ・・・。物心ついた頃には既にネットがあって、高校生の頃にはSNS全盛期。情報が過多だった分、流されることに身構えて、選ぶことに慎重になっていました。答えになってないかもしれないけれど。

村上:その世代ならきゃりーとかいるじゃん!

一同:

black eddie×mythography sneaker

シャツ生地でも靴が作れるじゃないかって思って

— 今回のコラボレーションについて聞かせてもらえますか

村上:去年アーバンリサーチで「mythography」のPOP UP SHOPがあって、その時DJのオファーをいただいて。DJの仕事は休みがちだったけど、ラウンジってことだったので引き受けさせていただきました。
DJやっている間はほとんどブースから出れなかったので、終わってからお店の中を覗いてみたら「mythography」の赤いバンダナシリーズがあって。
ここ7、8年ブーツしか履いてないんですけれど、なんか運動したいな、ってモチベーションがあったのと、それなのにスニーカーがなかったので。そう。自分のスニーカーほとんど処分しちゃってるですよ。あと「black eddie」でトーマスメイソンやカンクリーニのシャツを作っているんで、バンダナで靴が作れるならシャツ生地でも作れるんじゃないかって思って宮城くんに連絡しました。彼のことは以前から知っていたので。

— こだわりのポイントを教えてもらえますか?

宮城:村上さんは俳優という仕事柄、描いているイメージは具体的でした。
ご自身が扱うシャツ生地をアッパーにして、ヒールカウンターを100%のシルクで切り替えるっていうのはいいアイデアだったと思います。シルクは生地が細かいのでプリントも難しくなく、デザイン要素を加えられるんで。
いま確認出来るように、ヒールカウンターには両ブランドの名前を散らしているんですけれど、この段階でアーバンリサーチのバイヤー、佐藤さんからひとつリクエストをいただきました。

— どんなリクエストをされたんですか?

アーバンリサーチ 佐藤 祐輔(以下、佐藤):確かにヒールカウンターの切り替えはデザインのアクセントになっていていいと思ったし、アッパーの生地のセレクトはいい意味で裏切られたかな、と。あえて“らしさ”を外した感じが。
ただお二人に期待した要素のうちのひとつに、“ストリート”なテイストがあったので、それをリクエストしました。

村上:そのリクエストが手書きでデザイン要素とする、ってことだったんですけど、僕自身はMacを使ってデザインすることを基本としているんで、ベースをMacで組んで、そこに手を加えた“In This Life”ってワードを右足だけに入れました。
それ以外は宮城くんがやっているフォーマットを踏襲させてもらいました。vibramのソールもフカフカで、絶対的な信頼があります。これってなんていうのかな?

宮城:vibramのファスターというモデルですね。シューズの型もプレーントゥの基本形。特に名前はないです。

村上:それじゃもう“宮城くん”って名前でいいじゃん!

一同:

アナログな手法で追求することが各自の持ち場を全うする

裸足

— POP UP SHOPについても詳しく聞かせてください

村上:育乃介くんをモデルにして高橋(健治)くんに写真を撮ってもらって、それを渡邊(幸一郎)くんに絵も描いてもらうっていう、まずはそういう枠組みを作りました。
写真に関しては8×10のフィルムで。4カットを撮るのにぴったり4枚のフィルムしか使っていない。
20代の育乃介くんには分からないかもしれないけれど、デジタルで可能なことをあえてアナログにやる。分かり切った完成度を見越してやるんじゃなくて、アナログな手法で追求することで各自の持ち場を全うすることが出来るんじゃないかと思ったからです。
もちろん自分がフロントにいるっていう意識は持ちながら、各自担当すべきことはちゃんと預けるって意味でバトンを渡したかった。そういう緊張感を大切にしました。
質のいい経験値を重んじたかったんです。だから売ることに関してもアーバンリサーチに完全に預けたいと思っています。

— お店に来たお客さんに伝えたいことは?

佐藤:まずはここ(神南店)でしか実際に手にとって買うことが出来ない、ということですね。
それに加えて写真とイラストの展示は、そこに関わっている人の顔が見えることだと思いますから是非楽しんでいただきたいです。
あとはもちろん、この靴に合う洋服や他のアイテムを実際の接客で提案できれば。自分たちもアナログなことを大切にしたいです。

村上:あとキーワードは“ついでの力”かもしれないですね。
いまセレクトショップは衣食住をトータルに提案するじゃないですか。街が暖かくなって、春物を探しにお店に来たら、コーヒーを飲むこともCDを聴くことも出来る。ある意味洋服以外のすべてが主役の商品とも言える状況のなかで、視覚で訴求出来ることに強さはあると思う。
今はネットでいくらでも物が買えちゃうし、そのレビューすら確認出来る時代だけれども、実際にお店に足を運んでもらって、僕らのシューズに写真やイラスト、もちろんそれ以外の洋服や小物まで存分に楽しんでもらいたいですね。

Photo by Kenji Takahashi
Interview by Makoto Miura(COLAXO)

Profile

村上 淳
1973年生まれ。1992年より俳優としての活動を開始。第22回ヨコハマ映画祭助演男優賞受賞。2009年レザーを中心としたフットウェアブランド、MADE IN GM JAPANの設立に関わる。また、2014年ファッションからライフスタイルまでを提案するブランド、tr.4 suspensionから生まれた自身名義のコレクションラインblack eddieをスタートさせる。

宮城 秀貴
シューズデザイナー。2012A/W SHOES BRAND 「mythography」を始める。自身のブランド以外にもドメスティックブランドの靴作りに携わる。
http://mythography-shoes.com/

育乃介
1993年生まれ。俳優。主な出演作は「スペシャルドラマ 永遠の0」「ドラマW 天使のナイフ」映画「人狼ゲーム ビーストサイド」「近キョリ恋愛」他舞台など多数。モデル業では3/15発売「BRUTUS 春夏ファッション特大号」にも。

渡邊 幸一郎
絵描き。独学にて学んだ経験や技術を元に、04年よりmule musiqのグラフィックデザインを担当する。手描き、レタリング、コラージュなど手法も様々に、音楽、ファッション関係などに提供。かつてから音楽イベントの主催も行い、後に映像演出者(sati.)の顔も見せる。昨年、自身初の絵画個展を開催し、絵描きとしても精力的に活動している。

高橋 健治
1981年生まれ。写真家。
http://www.takahashikenji.com

POP UP SHOP

black eddie × mythography POP UP SHOP

【開催期間】3月26日(土)〜4月3日(日)
【開催店舗】URBAN RESEARCH 神南店

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